反日

星新一が20年前に出したエッセイの中で「思いついた極論だが、歴史教育なんてものは、危険思想の発生源である。それぞれの国が自国中心の歴史教育をやっていたら、国の対立はいつまでも消えない」と書いている。卓見だったんだなあ。読んだ当時は小学生。「さすがに極論だろ」と思ったものだった。というか、歴史の教科書は客観的な事実を記していると無邪気に信じていた。
とりあえず、常識として普段の生活ではノンポリな僕。でも、職場や知人とかの話を聞いていると「中国のデモはひどいけど、日本は昔ひどいことをしたのは事実なわけだし」って意見が主流。ネットでは逆。
ネットは匿名なだけに、普段は良識を身に纏っておおっぴらに言えない本音が噴出する場所。「日本がひどいことをしたのは事実」と言う人が、本音ではどう思っているのか推し量れない。実際どうなんだろ? 世論調査でも、電話アンケートは直接相手と向かい合うわけではないけれど、やっぱこちらの名前や電話番号を知られているわけだし、本音で答えづらいのではないだろうか。でも、ネットだと極端に過激な意見になりがちだし。
あとネットを見ていると、やはり匿名だと攻撃性が非常に高くなるよね。凄い勢いで中国や韓国を罵るけど、その態度はそのまま書き込み者が非難している対象とオーバーラップするわけで。新潟の震災のとき、韓国の掲示板で「天罰だ、日本人ざまあみろ」みたいなことが書かれていたことが話題になったけど、それで口汚く韓国を非難する人は、韓国で震災が発生したら同じことを言うに違いない。「チョン、ざまあみろw」と。
相手を批判することと、誹謗することはまったく違うわけで。僕自身含めて自省をしなければならないよなあ。礼節を重んじる日本人として。