なんというか……

http://www.asahi.com/national/update/1126/TKY200511260259.html
農水省が打ち出したフリーター・ニート対策。なんていうか、本当にお上は何も分かっていないという絶望的な確認しかできませんな。そもそも、フリーターとニートを同列に対策している時点でダメだし。両者はまったく別物なわけで。就職相談とかに来た人が対象という時点でニートが外れる。まあ、ニートの親が相談にくるってパターンはありそうだが。
とにもかくにも、食費やら宿泊費やらが原則自己負担というだけでありえない。今まで普通に存在していた就農支援とかの斡旋だと、食費とかは無料だし給料も出るぞ。この記事だと分からないけど、給料が出ない可能性も高い。フリーターやニートやってたら基本的に金とかギリギリだろうに、金払ってまで重労働しようと思う奴なんていないって。ニート対策を唄ってるNGOとかも、金払わせてニートを働かせてた。なんていうか、奴隷制よりも性質悪い。金まで払わせるんだから。しかも、これで就職できるかといったらその保証もまったくない。何考えてるんですか?
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/contents/special/050211.html
犯罪者ですら同じようなことをして給料もらえるのに。しかも、これだと免許とかきちんと資格を取れる。でも、今回の農水省のだと、半年ぐらいでどんな資格が取れるのやら。こんなのに金出して泊まり込みの拘束つきなら、普通にフリーターやってる方が百倍いいだろ。ニート対策とかの名目だときっと予算が下りやすいんだろうな。1億もの金を内内で使ってしまおうという魂胆しか見えない。
てか、最近はリストラなどにあってやむをえず職を失った無職ですらニートと同一視されている気がする。すぐニートだなんだ。そして、そういうときは必ず自堕落なニートを例にして、ニートは助ける価値のない怠け者というイメージを流布させているから性質悪い。ヘタしたらフリーターまでニート扱いされていることも。そういった層が出ている社会状況を無視している。そういった社会状況を是正することこそ政治の役目なのに、それは財界にとっては不利なことで、かつ非常に難しいことだから、政府は責任を投げて個々人の自己責任にすることを決定したんだろう。
前にも書いたけど、今はまだフリーターやニートの親がそれなりに資金を持っている層がいるのでなんとか破綻は免れている。しかし、親が定年を迎えたり(それでも、高度経済成長の恩恵を得て、普通に暮らしていればそれなりの貯蓄はあるだろうから決定的な破滅はすぐにはこない)、さらにいわゆる新人類世代の親の子供がフリーターやニートになったとき(団塊の世代はなんだかんだで子供に甘い。でも、それ以下の世代になると、子供が重荷になれば捨てる割合が絶対高くなる)、この日本ははたしてどうなるか。自殺者の数はたぶん5万人超え、ホームレスは今の3,4倍ぐらいになると思う。