労働ビッグバン

労働ダンピング―雇用の多様化の果てに (岩波新書)

労働ダンピング―雇用の多様化の果てに (岩波新書)

今朝の朝日新聞に、上の本の作者と、今の労働者敵視政策の元凶の一人である御用学者八代尚宏の対論(労働ビッグバンについて)があった。相変わらず御用学者のわけのわからない発言が目立った。残念なのは、互いがほぼ一方的に自分の意見を言うだけの構成になっていること。一面しかないから仕方ないけどさ。八代のわけのわからない発言にきちんと反論してそれが載るぐらいのボリュームが欲しい。
てか、国民の多くは労働者なんだし、めちゃくちゃ重要な問題なんだから新聞の半分ぐらいで扱ってもいいぐらいなのに、マスコミの反応が鈍すぎる。今の安部への支持率の低下には労働者いじめが大きく関わっていると思うけど、マスコミでは郵政の議員復活ばかり取り上げるしさ。ホワイトカラーエグゼンプションにしろ、議論されつくしているはずなのにその議論の中身が見えてこない。てか、疑問ばかりあがるのに、どこが議論を尽くされたのか。まあ、経団連に反対する委員は外されるという美しい国だから議論なんてされないだろうが。

派遣やパートも正社員も、労基法を始めとする労働法によって守られている
だから本来、派遣もパートも正社員も、権利で守られている限り、あまり差は無い
企業競争力は、労働法の範囲内において高めるのが原則

問題は、その労働法が形骸化しているのだが、その形骸化の程度が
それぞれで違うから、表面は正社員が優遇されている「ように見える」ことだ
法律が守られていないという絶対的な問題を、相対的に正社員が優遇されて
いるかのように見せかけているだけ

少し話が変わるが、某所のこの意見に納得。各所で、今まで正社員が優遇されすぎている、と非難されているけど、労働法があまりに守られなさすぎているだけなんだよね。最も有名な例として有給休暇はバイトにもあるわけだし。それに、経営者と正社員はまったく別物なのに、正社員をわざと混同して責めて、非正規雇用正規雇用を争わせて自分たちは安全な場所にいようとする工作が目立ちすぎる。