イスラム国と日本人人質

ついにきたか。まあ、安倍首相はちょっと口が軽すぎたってのはあるな。とはいえ、これで安倍首相を責めるのはお門違いだけど。イスラム国が100%悪いのは間違いないわけで。
こうした人質では、アメリカとイギリスは絶対に身代金を払わない。だから、人質は全員殺されている。逆にフランスは身代金を払うから、人質が解放されていることが多い。とはいえ、今回の提示金額はあまりに巨額。これに応じたら、その金でどれだけの武器が買われ、どれだけの兵が雇われ、どれだけ多くの人間が殺されるか。それを考えると身代金を払えるわけがないが、とはいえ二人の命を見捨てていいかと言ったらそれも当然違うわけで。水面下で交渉はするだろうけど、うーん、ダメだろうなあ……。

それにしても、フランスの風刺画事件からヨーロッパの空気が明らかに変わって色々と大変だ。911によって「文明の衝突」というキーワードが出てきたわけだけど、それがまた強く意識されるようになってきたというか。ヨーロッパ各国で移民排斥を唱える政党への支持率が高いのは色々と怖い。
これはイスラム国やテロが分かりやすい象徴になっているとはいえ、根本的な原因は、先進国共通の悩みである富の偏在による格差の拡大ってのがあるからなあ。そうしたことへの特に若者の不満が、移民排斥へと結びついている。欧州に関しては「いや、移民に3Kの仕事を押し付けて楽していたのは誰だよ。それでいて移民の数が増えて自分たちを脅かし始めたら排斥しようって随分と勝手じゃないか」と思ってしまうけど。
さらにヨーロッパがこれから不安になる要因があるから危険だ。今週の日曜にはギリシャの総選挙があって、その動向次第ではどうなるか分からない。まあ、最悪ギリシャがユーロ離脱しても、大きな衝撃にならないような対策はされているっぽいが。それに、たぶんユーロ離脱にまではギリシャも踏み切れないだろうし。とはいえ、不安定にはなるだろうなあ。この前のスイスショックも冷めやらぬというのに。