この素晴らしい世界に祝福を! 1話

ああ、なるほど。異世界転移テンプレを元に、それを外したギャグにしているって感じなのね。女神を巻き込むあたりはああ女神様を思い出す。

ネット小説を中心としたラノベ界隈における異世界転移テンプレは、最初期はトラックにはねられて死亡→神の手違いで神土下座→チート能力をもらって異世界で俺TUEEE!!
いわゆる転生トラック&土下座神だけど、神が土下座するとかおかしいだろ、主人公の態度でかすぎじゃねってことでもう廃れている印象。
その後は、いくつかバリエーションが出たりするけど、神の遊びってのが多いかな。箱庭RPGに強力なNPCを入れてそいつが好き勝手暴れるのを見て楽しむ、みたいな。
ほかにも神が何らかの意図があるパターンで、要は主人公にチート能力を持たせる理由付けにバリエーションがあるってわけ。
先鋭化すると、ここらへんのやり取りすら省かれる。ネット小説だからこそ許される感じかな。お約束だからいちいち書かなくていいでしょ、みたいな。人気ゲームの実況動画で、プロローグ部分が飛ばされるようになる感じ。
とにかく大事なのは、「現代日本で暮らしていた主人公が、現代知識を保持したまま、異世界にチート能力を持って転移・転生する」ということ。
現代知識を保持というのが大事なので、「プロローグで転移転生して後は元の世界に帰ることを考えず元の世界が絡むこともないなら、最初から現地主人公にすればいいのに」というのは的外れになる。
現代日本出身だと、たとえば四面楚歌みたいな言葉を主人公が使うのもおかしくないし、アニメやゲームのパロを口走ることもまったく自然で、とにかく作者が楽になる。よく考えられているシステムだ。

おそらく、この作品はそういった異世界テンプレをわざと外す展開で笑いを取るのかな。まあ、そういうテンプレ外しも、今となってはテンプレというのがなんともはや。
とりあえず、主人公が人並みの知恵があって、OPを見るに残りのパーティーメンバーも女神クラスのおばかっぽい。能力は高いけど頭が足りてないから主人公がイニシアチブを取れるって感じと予想。
たぶん、どう見ても履いてないポンコツ女神を見て楽しむのが正しい視聴かも。わりと面白そうな匂いがするので、期待。