着信アリ

今更だけどレンタルしてきて見てみた。なんか近くに『着信』『着信2』というおそらく便乗パクリと思われる作品があったのに笑った。そのDVDの宣伝文句で「あの人気シリーズ!」みたいなのがあってさらに笑う。悪質だなー、意図的にそれを見る人を誤解させようとしている。地球防衛軍のタイトルを意図的にパクった地球侵略軍みたいだ。
他の人がどういう感想を持っているかまったく知らない状態で適当に感想を書いてみる。ネタバレは極力なしの方向で。
設定はリングのまんまパクリですな。リングだとビデオテープでそろそろ古臭いイメージが出てきたが、これは携帯という現代人、特にこの映画のメインターゲットとしている層には必須のアイテムを使うことで恐怖をより煽ろうというところか。製作者の志の低さがにじみ出ているが、まあ作品が面白ければパクリでかまわないのでとりあえず真面目に視聴。
まあ、ラスト付近まではそれなりに楽しめた。ヘタなそこらいらのホラー映画に比べれば面白い。TV生中継で超常殺人が実行されたというのに世間がなんか平穏な感じなところに疑問を感じたぐらいで。普通ならマスコミに取り囲まれて悠長に調べごとなんかしていられないよなーって。
そう、ラストだよ。ネタバレになるから詳しくは書かないけど、まあホラーの王道パターンとして、ラスト付近で解決→しかし、その解決法は実は見当違いだった。ラストの付近でこれが真実と思っていた心霊現象の理由は別のところにあった、というどんでん返しがあるのはいいんだ。どんでん返しがないと物足りないストーリーになるわけだから。しかし、そのどんでん返しがわけわからなかった。というか、そのどんでん返しのせいで、ストーリーに矛盾が生じたわけで。どんでん返しとは、視聴者に「そうだったのか!?」と驚かせるものでなければならないのに、この作品の場合は「そうだったのか!? ……あれ? でも、何であのときあんな展開になったの? おかしいじゃん!」ってのが出てきたわけで。そしてストーリー全体を見回すと矛盾がいっぱい。
なんか、脚本家か監督か知らないけど、どんでん返しを思いつかなければ平板なホラーになる。だからどんでん返しは絶対必要だ。という感じで考え抜いたすえ、結局皆が納得できるような驚くべきどんでん返しを思いつくことができなかったって感じ。とにかく「主人公たちが考えていたのと真実は違うんですよ〜!」ってのだけありゃいいや! みたいな。その点リング(小説の方ね。日本の映画は見たことない。外国のは見たけど。ついでに言うと、らせんはリングを貶めた駄作。小説の発売日わくわくして買ったけど、あまりのひどいストーリーに本気でガッカリしたっけ)は、どんでん返しが非常によくできていた。
あれだ。怖がらせるシーンを先に考えて、あとはストーリーを適当につなげた感じ。普段ホラー映画見ない友達数人とわいわい見るにはちょうどいいかも。主演の柴咲コウ堤真一は演技いまいち。吹石一恵はわりとうまかった。あと、あの着メロは欲しいなと思った。絶対どっかにありそうだけど探すのめんどい。