割り箸事件、医師無罪

これは、TVとかだと子供の両親の泣き顔とか、子供の生前の無邪気な表情とか映ったりするから、心情的にとかパターン的にというか、子供側が絶対正義で裁判官はけしからん、何だこの判決はみたいなノリばかりだったけど、僕は妥当な判決だと思う。
確かに過失はあったと思うけど、すべて結果論。いくらなんでも、割り箸が脳にまで達していたなんて、もし当時その医師じゃなくて他の医師だった場合、どのぐらいの割合で見ぬけていただろうか。あまりにも突飛なことだから、あそこまで大きな事件になったわけで。結果論で、これこれこういう検査をしておけばよかったとかは、そりゃ他人は好き放題言えるさ。不幸だったのは、翌日すぐ死亡したこと(まあ、脳にまで達していたから仕方ないと思うけど)。体調が悪いままとかなら、改めて詳しい検査とかの流れになったはず。大きな病気のときも大体そうでしょ。風邪とか何とか診断されて、それでも症状が続くから詳しい検査をして正体に気づくって流れが大半じゃないかな。最初からバリバリ検査するって方が稀だと思う。
あと、社会的な影響も考慮に入れたんじゃないかな。正直、小児科医のなり手が少ないってのは、苛酷な労働もそうだろうけど、訴訟リスクも絶対に絡んでいるはず。子供はただでさえ自分の症状を正しく伝えられないのに、病院にくるってことは子供もテンぱってるからなかなか自覚症状がわからない、しかし傍らの親は元気だから色々と文句を言う、一つの医療ミスで訴訟騒ぎになりかねない、ヘタすりゃ人生吹っ飛ぶ、賠償金も多額、しかも子供相手だから世論は子供側の味方をする。今回みたいな大きな事件で刑事罰が決まったら、ますます小児科医のリスクは高まる。そりゃまずいでしょ。
もうひとつ言わせてもらえば、いくら祭とかとはいえ、ものを食べさせながら(しかも棒がついているもの)を歩かせるのは親の責任も大きい。間違いなく。