クローズアップ現代

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2006/0610-1.html#wed
昨日放送していたやつ。ホワイトカラーエグゼンプション問題。この日記でも何度も取り上げてきた話題ではあるので改めて書くようなことはないけれども、やはりこの問題はもっと大きく扱うべきだと思った。今のままでは、このまま2008年には施行される恐れがある。
そもそもね、自分で時間管理できるわけないんだって。どうあがいても時間内に終わらない業務量が現実としてあるわけなんだから。リストラで人を減らし、減ったぶん仕事がのしかかる。人件費はどんどん押し下げられるのに、労働時間は増すばかり。平均労働時間が上昇して平均年収が下がったグラフがあったけど、役員層のみ役員報酬が上昇していることを考えると、一般労働者層の賃金の下がり方はもっと深刻だと思う。
よくこの制度を導入する理由づけとして「ダラダラと残業して残業代を稼ぐ人がいるのはおかしい」というのがあるけど、それはその人物を管理する上司が無能なだけ。上司が自分の部下に適正に仕事を割り振れば残業は発生しないわけで。もし残業代を稼ぐためにダラダラと仕事をしていたら注意をしなければならない。どうあがいても残業が発生するような仕事量を与えるのはそもそもおかしい。その場合は、人員を増やすしかない。もちろん、そんな社会状況ではないことは承知だが、「ダラダラと残業して稼ぐ」というのは本来ありえないことは断言できる。
番組でも取り上げていたけど、ホワイトカラーエグゼンプション制度があるアメリカでは、そもそも休日の取得率や、転職のしやすさ(労働環境が悪ければ人が入ってこない。日本では就職・転職が非常に難しいから労働環境が悪くても我慢する人が非常に多い)などが日本とは大きく異なる。それなのに、制度だけ導入するのは問題。はっきり言って、経営者側のいいとこどりなだけだから。
このホワイトカラーエグゼンプション導入は財界の悲願の一つとも言われているからなー(派遣の規制緩和小泉政権で実現した)。どれだけ財界が下品かということが分かる。普通の労働者が安心して働けてこそ、社会の安定があれば、消費の安定もあるわけで。その安定があって初めて国は発展していくわけだ。残念ながら、今の状態では日本の将来はないとしか思えない。将来的に、日本脱出はわりと本気で考える必要はあると思う。