<求人>ミスマッチ解消がカギ 外食、福祉業界は人手不足

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090201-00000015-maiall-bus_all
福祉業界に関しては、僕の母が介護福祉士なので話はよく聞いている。母の場合は、生活のためではなく(これが重要)、お年寄りの役に立ちたいという意思のみでやっていたので続いていた。ただ、現在は身体を壊してしまったので介護福祉士としては仕事をしていない。今でも定期的に仕事に戻らないかという連絡がくるほど人手不足が激しい業界だ。それもこれも、重労働&普通人はやりたがらない仕事&絶対に必要な仕事なのに周囲から低い目で見られる&どれだけ働いても自分一人生活することすら困難なほど薄給、などなどのせいだ。この業界の仕事が好きで高い志を持っていても「生活できない」と泣く泣く退職するような異常な状況のまま放置されているのがおかしい。すべて、介護する人たちのボランティア精神のみで支えられえいて、まだ破綻しきっていないためにその自己犠牲ともいえる精神をとことん利用されつくされているのが現状だ。
いきなり話がそれまくった。
えとね、この話題で言いたいことがあるんだ。こうした話題になると、「そんな状況で仕事を選ぶな」「わがまま言うな」「その甘えの精神があるから失業なんてするんだ」「自己責任」「自己責任!」「自己責任!!」「自己責任!!!」としたり顔で言う人が多い。
それはまったくの間違いである。
勘違いも甚だしい。
仕事の形態で落ちた人間が、仕事を選ばないわけないでしょ。慎重になるに決まってるじゃないか。自分がそれで酷い目にあったんだから。もしそうでなければ何も学習できていないってことだよ。
養うべき家族がいる場合は、少なくとも家族を養っていけるだけの給料がないと意味ない。当たり前の話だ。ましてや、自分ひとりが生きていくことすら困難な給料なら? それに、障害認定はされなくても身体の弱い人がいる。どうしてもきつい仕事ができない人は確実にいる。身体を壊したら医療費がかかるし、その瞬間収入が途絶える。それであっさり破綻だ。
人には様々な事情がある。もちろん不心得者もいるだろうが、一人ひとりが抱える背景がある。それを十把ひとからげに「甘え、自己責任」と糾弾するなんて、想像力の欠片もない人間だ。
また、外食産業の労働基準法を無視したとてつもない労働環境なども、「みんな我慢している」「そんな職種にしか就けないのは自己責任」とこれまた一刀両断する。
何かおかしくない? 労働基準法を守らない企業が全面的に悪いに決まっているじゃないか。法律を明らかにおかしているんだよ? 労働者は法律を何もおかしていないんだよ? それなのに、一方的に労働者を責めたてるのは社会正義としておかしくない? 「そういうものだ」ってのはおかしいんだよ。
結局、「俺たちも苦労しているんだからお前たちも苦労しろ」ってさもしい考えから非難しているにすぎない。下同士で足の引っ張り合い、目も当てられない。それを見て笑っている層にはかなうわけないからと目を背ける。
本当におかしい。
これで義憤がわかないのがおかしい。
まあ、結局は生きていくために我慢して働かないといけないのが現状だし、ここであげつらわれている労働者たちも、最終的にはそういう職種を選んでいくことになるだろう。まず生きるための銭を稼がないとどうにもならないから。金額の多寡を置いておけば、そういう人間が世の中の大半。ただし、仕事が一方的な苦行かというとそういうわけではなく、自分の仕事に愛着もあるし、誇りもある人が大部分だろう。充足感だって得られる。ただ、日本の場合はあまりにも労働すること自体に価値を見出している、というかそういう無形の圧力がかかりすぎているのが問題。今の日本の労働環境の異常さは、皆絶対に心の底では認めているはず。仕事が忙しすぎて結婚できない、子供をつくれない、ってのが普通に起こっていることが異常。正直、ここをどうにかしない限り、どんな雇用政策も結局は小手先にすぎない。ほどほどに働いてほどほどの金を得る。これが困難な限り未来はない。