フランス大統領選挙

第一回投票は1位マクロン(23.75%)、2位ルペン(21.53%)、3位フィヨン(19.91%)、4位メランション(19.64%)とかなりの接戦だった。

投票直前で日本でよく取り上げられたのは、極右のルペンと極左のメランション。右と左なのにどちらも反EUEU離脱を掲げているって感じの取り上げ方だったかな。右と左で一定の親和性があるのはどうのとかって言いたいんだろうけど、これについてはまったくの的外れだと思う。
ここ最近の先進国の選挙で影響しているのは「グローバリズムVS反グローバリズム」であり、建前上中道ということになっている既成政党がエスタブリッシュメントの利益代表であるから、グローバリズムによって疲弊しきった層が反グローバリズムを求めているという構図に他ならない。そして、その求めを満たすことができるのが、「自国第一主義」を掲げる右か、「富の再分配」を掲げる左になるわけで、結果的に両者が交わる結果になっている。

今回のフランス大統領選挙で最も心配されていたのが、ルペンVSメランションになることだった。もしこうなったら世界が揺れることになっただろうなあ。個人的には反グローバリズムに頑張ってほしいところだが、メランションが掲げる公約はさすがに現実味が0でダメだろうと。そこらへんはもっと現実的な路線を掲げないと。メランションの敗因って、公約を盛りすぎたことだと思う。まあ、あそこまで盛らないとここまで接戦にならなかったのかもしれないが……。

マクロンVSルペンの決選投票になったから、これはマクロンで決まりだな。トランプの例をあげてどうなるか分からないという意見もよく見るけど、トランプ大統領の誕生、ついでにEU離脱に関するイギリスの国民投票という二つの衝撃的な結果を目撃したわけだから、反ルペンやEUから離脱することによる衝撃を嫌う人が間違いなく強く結束する。投票率も相当高くなるはず。そもそも、第一回の投票でも1位を取れなかったから、わりと大差でマクロンになるんじゃないかな。

なお、反移民を掲げるルペンですら、移民の完全排除ではなく、受け入れる人数の制限にとどまっている。欧州は移民がいないと成り立たなくなっているからね。特に、絶対に必要だけど過酷で賃金も安いという職業は移民専用って感じになっている。移民を奴隷のように酷使することで、自国民の労働環境をよくしているという一面があるから、なんともやりきれない話で。