シン・ゴジラ

おお、想像していたより面白かった。日本もここまでの映像美と派手な破壊のパニック映画を作れるんだと思った。
今回はゴジラが本当に災害みたいな感じだな。うまく言えないけど、ゴジラそのものの神秘性的なものは薄れている感はある。本当にただの怪獣というか、理不尽な脅威というか。いや、これまでもそうなんだけど、他のゴジラ作品よりもゴジラそのものの意思があまり感じられないというか。完全生物って表現があったけど、生物というよりも現象に見えるというか。
政治ドラマパートは思ったより面白かったな。石破元防衛大臣が言うには「防衛出勤は理解できない、災害派遣が妥当」で、キャリア的にも石破元防衛大臣の意見の方が実際に近いのかもだが、それでも素人目ではそれっぽく見えた。
ただ、あれだな。政治ドラマパートは海外の人はどう思ったんだろう？　日本独特の政治風土が理解できないと、所々「？」ってなる気がしてならない。
にしても、一番印象に残ったのはエヴァＢＧＭのアレンジだったかもしれない。そして、「やったか！？」→やってないはちょっとあざとかった。あと、中露は国名を出すのに、対馬沖で不穏な動き云々というシーンで国名をぼかしているあたりの配慮が何とも。まあ、ぼかして正解だと思うけど。

とにかくよかったことは、ハリウッドみたいに恋愛や家族愛などのドラマに発展しなかったこと。ハリウッドのパニック映画で、何度そういう展開になって興ざめしたことか。
で、あの日本人の血を引いているアメリカ人の才女？　彼女はいらなかった。それだけの地位にいることに説得力がまったくなかったし。正直この映画最大の汚点とすら思える。

最後の尻尾のやつは、まあ視聴者に委ねるパターンかな。たぶん正解はないし、ヘタしたら勝手に考察してくれるようなそれっぽいものを用意しただけでまったく考えていない可能性もわりとありそう、監督的に。
自分を追い詰めた人間を模した進化ってのは、ゴジラを直接的に追い詰めていたのは各種兵器で、それを人間が操っているという認識をゴジラが持っているとは思えないからちょっと違う気がするんだよな。単純に無性生殖か何かの子供かなあ。もしくは、各種兵器に対抗するために小さな分身を生み出そうとしていたという方が、人間を模したよりかは納得できるかな。
あー、でも続編作らないって明言しているらしいし、考えるだけ無駄だな。やっぱ監督が巻いた釣り餌ってだけな気がする。