今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生

今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生

久しぶりにノンフィクションコーナーにいったら目にとまったので買ってみた。そういや、メルマガやブログで有名な「借金は身を滅ぼす」が本になっていて驚いた。まあ、そっちはブログからの追加がほとんどないのでブログを読めばいい話だけど。って、話が逸れた。
この本は、13人のホームレスの体験をまとめたものになっている。大抵の場合は、順風満帆な人生を送っていたが、バブルがはじけたのをきっかけに失業してそのままホームレスに、というパターン。現在五十歳代ってのが多かったかな。まあね、バブル期の頃の思い出を聞いていると自業自得って感じの例も多いわけだが、逆にそれがいつ転落するか分からないということの証明でもあるかな。
とにかくこの本を読んで思ったのは、絶対にローンは組まない(今のご時世で住宅ローンを組むブレイブな人はそんなにいないと思うが)、結婚はしないということ。特に金に困り始めてからの奥さんの冷たさが結構書かれていた。金の切れ目が縁の切れ目というやつですな。もっとも、ここにある例の数十倍は、似たような状況になったら夫婦で助け合ってホームレスにまではいってないとは思うし、そう信じたいが。
で、この本で一番役に立つと思われるものは、あるホームレスの1週間を追った記事。ホームレスというと、どうしても橋の下や駅とかのブルーシート・ダンボールハウスを想像するが、この人の場合はドヤ街や簡易ビジネスホテル(ホテルとは言っても一泊2000円ですむような場所)を渡り歩く移動型というタイプらしい。で、だ。ホームレスというと、秋葉原でよく見かけるアルミ缶などの回収や、駅前とかで見かける拾った雑誌の露店販売(今は取締りが厳しいらしい)などを連想するが、その人の場合は清掃員の仕事もあるけれども、その他のことをやって日銭を稼いでいた。多いときは月17万円はいくらしい。で、出費は最小限にして、ホームレスになる前に持っていた自分の口座に貯金をしていくと、もちろん、仕事が少ないときやうまくいかないときもあるから1年か2年でまだ20万円ぐらいらしいが。とにもかくにも住所がないと社会的信用はゼロに等しいので早急に住居を見つけたいが、敷金・礼金やしばらくの生活費を考えるとどうしても50万円は必要で、それを必死で貯めているとか。とにかく、その方法が参考になった。うん、いつ自分が同じような立場になるか分からないからね。一寸先は闇。
にしても、住所がないと生活保護が受けられなかったり、50万円ないと自己破産できないというの矛盾しているよなー。