偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

去年の7/31から朝日新聞で大々的に偽装請負問題に関するキャンペーンが張られ、そこから偽装請負などの話題がTV上でも話題になるようになった。で、記事をまとめているわけではなく、書き下ろしで結構読み応えのある本として仕上がっている。なんか、あの記事は7・31ショックと言われるほどの衝撃があったらしい。一番の衝撃は企業の実名を公表したこと。それによって企業が動かざるをえなくなった。こういう正しいペンの使い方をしてくれると心強い。
とにかく、この本は必読。何度も言うけど、自分は正社員だから関係ないというのは想像力の欠如。明日は我が身だよ、マジで。このキャンペーンなどの影響で偽装請負は減るかもしれないけど、御手洗とかは堂々と派遣の直接雇用義務撤廃を訴えているからなー。派遣のような雇用形態では将来の見通しが立たない。製造業は危険も多いし、だからこそ3年雇ったら直接来ようしなければならない義務が発生する(昔は1年だったんだけどね)。そういう経緯をすっ飛ばして、雇用が硬直化するから直接雇用義務なくせとは。こういうのこそが真の国賊なわけで。で、そんな御手洗をかばい続ける安倍総理自民党も同じ穴のムジナ。将来に希望の持てない若者を増やして何がしたいんだろうね。あんたらは自分たちさえよければいいんだろうけど。
最近御手洗が若者などに媚びるような発言をしているけど、選挙前だからなー。偽装請負とっぱらっても、派遣無制限使用とホワイトカラー・エグゼンプション導入でウハウハってするつもりだろうな、間違いなく。本当に、ここ数年の労働環境の悪化は驚くべきものがある。もうこのことに対して国民は真剣に考えないとどうしようもなくなる。