久しぶりに買って後悔した本

ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)

ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)

ネットカフェ難民が自分自身の体験を書いているものとばかり思ったら全然違った。
芸大修士課程終了で1年ぐらいニート生活をしていた著者(この本より前にすでに本を出している)が、気まぐれでネットカフェ難民を始めてみましたというノリ。いざというときには実家に帰ることができるから危機感ゼロ。正直、世の中にネットカフェ難民に対する誤った認識を与えたり、ネットカフェ難民はこんなもんだという口実にされかねない、はっきり言って本当に困っている人には害にさえなる可能性がある。本当のネットカフェ難民に謝れと言いたい。
本としての構成も、最後はやたら尻切れトンボ。なんていうか、完成した一冊の本としての誠意が感じられない。文学的をきどった回りくどい文章や、謙遜しつつ自慢しているような描写もあったり、正直イヤな感じ。面白い箇所や「へえ」と思う箇所があるのも事実だし、なんだかんだで読みやすいとは思う。でも、好きになれない。