秋葉原事件 NHKスペシャルとか週刊新潮とか

NHKスペシャルで印象的だったのは、300人のアンケートで6割が加藤容疑者に共感できる面があるという答えが返ってきたということ。今まで何回も書いてきたから省略するけど、結局は将来に絶望しか見えなかったら希望はなくなり、絶望で全てが占められるということ。特に、今はネットの急激な発展により、様々な情報を簡単に取得できるようになってしまったことが問題。今までだったら「皆も大変なんだろうな」とか「頑張ればなんとかなる」と自分をだませる面があったが、今はそういうごまかしが不可能なほどに自分のリアルな未来が見えてくる。そりゃ絶望するよ。不安定な職場で解雇に脅えながら、身体にきつい仕事を長時間やって休みも少なくても、得られる賃金は生きていくのにやっと、ヘタしたら生きるのにも不自由するだけ。それが何十年と続く可能性が極めて高いと悟ったとき……。もう、どうしようもないよ。あまりに残酷すぎる。おためごかしである「犯人のやったことは絶対に許せないけど」という前置きすらむなしくなるほど、色々な面で格差が決定的についてしまっている。本当に、根本的に何とかしないとどうしようもない。
ちなみに、新潮の記事もそこらへんに触れていたな。宅間事件のときもそうだったが、2ちゃんねるでこうした犯人を礼賛する層が一定数出ている事実。もちろん面白半分、からかい半分がほとんどだろうけど、真面目に勝ち組に一刺し加えた救世主と考えている層もいるだろうな。そうした現実を冷静に受け止めなければいけない。新潮の記事は、そうして犯人への共感を深く考えずにバッサリ切り捨てているのが気に入らないが。
何度も書いてきたけど、もし彼らがターゲットにしたのが政治家であったり官僚であったり経団連であったら、彼らを礼賛する層は今の比ではなかっただろう。たぶん、そうしたことが起こらないと何も変わらないんだろうな。そうしたことによる変化は不幸ではあるが。そうして個人のテロリズムでしか変わらないのであれば、民主主義って何だろう?と。だって、多くの国民は今の現状を何とかしないとと思っていると思うよ。でも実際には庶民が苦しむばかり。そういやマスゾエが日雇い禁止に言及した裏には、今以上に庶民に税金などを貸す動きの煙幕だとか。うーむ。