フラクタル 2〜4話

面白いかつまらないかときかれたら、先が気になるという点で面白いということだと思う。でも、ストーリーがうまいかと聞かれたら全力でNOと答えられる。
1〜3話で徐々に世界観がつかめてくるのはいい。あえて専門用語をわざとらしく解説せず、ストーリー内でどんなものかを把握させようとしているのが分かるし、特異な世界観の割になんとなく掴めたのは確かだった。
でも、圧倒的に話数が足りない。こんな特異な世界観を舞台にするなら、やはり全11話は短すぎる。そのせいで、展開が速すぎて置いてけぼりになる。主人公の台詞とかがどうしても重みがなくなるんだよね。「この家、こんなに広かったっけ」とか、せめて1週間ぐらいは共に過ごしてから言ってよ。半日ぐらいでそれはない。
世界観の根幹が分からないのがやはりダメ。なんとなくはわかるんだけどさ。フラクタルシステムってのがあって、人体に埋め込まれている。ドッペルというコピーを生み出すことができて、ドッペルがかわりに働くから人間は働く必要がなくなった。で、定期的に決まった方角にある星みたいのを見なければいけない。1話の目の描写で「あー、洗脳か」と想像がつき、実際にそうだと明かされる。
まず気になるのは、ドッペルって基本的に触れないじゃん、データだけの存在で。フラクタルシステムがないとみることすらできない。そんなのがどうやって働くことができるんだろ? 食物とかすべて工場で生産できるってこと? さらに、家族がばらばらで一人で生活するのが基本みたいだけど、夫婦は一緒にいるの? てか、人の数が少なそうだけど人口どのぐらい? 世界の崩壊みたいなことを僧院が言ってるけど、それも具体的に見えてこない。一般に知らされているかどうか分からないし。
で、これまでずっと洗脳されてきた主人公が、比較的今の現代人と近い感性を持っていることも疑問。洗脳って毎日しないとすぐ薄れるものなのだろうか。
ついでに言えば、あのテロリストたち、結構簡単に死んだり殺したりしているけど、まるで危機感がないというか。棒立ちで銃撃ってるだけだし。フリュネの登場あたりから、フリュネが何をしたいのかわけわかめ。ネッサもどきも落ち着き過ぎているし。まあ、あのネッサもどきは何かあるだろうが。あんなに死人が出て、僧院はどうごまかす?
まだまだ書き足りない。とにかく、ツッコミどころが多すぎる。フリュネの1話と4話で言ってることとやってることがグチャグチャなのもわけわかめだし。
あ、でもネッサは可愛い。てか、性格とか声とか、平沢唯かと思ったよ。声は豊崎愛生とばかり思ってたら花澤香菜だった。でも、唯にしか聞こえないという。数ヶ月前、朝日新聞の夕刊だったかな? 監督だと思うけど、インタビュー記事があって「萌えアニメとかが溢れているが、これは違う。普段アニメを見ない人にこそ見てほしい」とか言ってたけど、うーん、やっぱ萌えアニメじゃね?