ちはやふる15巻感想

千早2年生の全国大会高校生チーム戦の決勝戦がこの巻でちょうど終わる。また続きにやきもきしなくてすんだので非常によかった。

さて、両方可能性はあったんだ。
まず、ギリギリで負けて高校生最後の全国大会で優勝するという可能性。千早の場合は個人戦、クイーン戦があるから二つの見せ場を3年生に持ってくるかどうかというのはあったが、あの北央でもずっと勝てなかったっぽい優勝常連校相手だから、ここで優勝はさすがに早すぎるんじゃないかと。
そしてもう一つの可能性が、ギリギリで優勝する可能性。今回の決勝メンバーはかなちゃんがいないが、それでも皆で決勝まで勝ち上がってきたわけだし、3年生になったらまた1年生が入ってくるだろうし決勝メンバーがさらに変わる可能性がある。ってことは、ここで優勝しなければいつ優勝するんだというタイミングでもあるわけで。

結果としては後者だった。作中でも、このメンバーでまた決勝戦行けるかどうか分からない。たぶん二度とない。というモノローグがあったわけで。このモノローグが出たところで、優勝を確信した。
千早の突き指はひどそうだし、今回は練習していた中指取りがうまくいったけど、翌日の個人戦の時にはさらに腫れてそうな気がする。千早の本気個人戦は3年生にもちこしかな。

今回大事だったのは、クィーン詩暢が団体戦を否定する理由が分かったこと。名人戦&クィーン戦でもあったが、強いがゆえの孤独ってのが大きかったか。強すぎて同年代に釣り合う相手がいなかったから、同年代に手加減をする詩暢を見て手加減を覚えさせないために周囲の大人が同年代から遠ざけてしまったと。
これは千早との対比を感じるよね。初めて知った本物の競技かるたの相手だった新は誰相手でも手加減をしない男だった。だからこそ、千早は初心者に対しても手加減をしない。
それでも競技かるたの面白さを知ってほしいという想いに机くんやかなちゃんは応えたわけで。もちろん、太一も肉まんくんも。そういう仲間に恵まれた千早はクィーンとは逆にチーム戦を非常に大事に思う。
勝戦の空気にあてられて、詩暢も考えが変わりそうな雰囲気があるから、今後に期待。

そして、もう一つ大事なのが、太一が一皮むけたこと。原田先生ゆずりの気合呼び込みをついにあの太一が発動させるとは。これは、翌日の個人戦でB級優勝→A級昇級という流れもありだな。

とにもかくにも今回もとても面白かった。
最後に関係ないことを一つ。2年生で全国優勝で思い出すのはPSの超名作ギャルゲー『プリズムコート』。かなり昔に紹介したが、PSギャルゲーで一番面白いと思う。そのプリズムコートは個別ルート入りが非常に分かりづらく、正直攻略本がないと厳しい。で、頑張ってチームを育てると、2年生で全国優勝も可能なんだ。しかし、その瞬間個別ルートのフラグが消え、連続優勝ルートへ強制的に入ってしまう。そう、女の子個人のルートに入れなくなるという恐ろしい罠があった。
2年生で全国優勝ってのでこれを思い出してしまった。