生きさせろ! 難民化する若者たち

生きさせろ! 難民化する若者たち

とりあえず一読。あれだ、内容に関しては特に新しいことはない。参考文献とかも、ほぼ全部持っているか読んだことがあるものだし。学者ではないから、学術的な考察とか、データを用いて云々という本ではないから当然と言えば当然。
どっちかというと、僕とかがブログに書いている内容とかなり被る。とにもかくにも、フリーターというか非正規雇用&一部正規雇用がどれだけ悲惨な目にあっているか、それらは行政の問題であり企業の問題である、自己責任論で誰が得するか、誰が声高に自己責任論を述べているか、などなど。偽装請負や過労死問題については、訴訟の例をあげて実際原告の人にインタビューとかをしているのがいいかな。
印象的なのは、誰かの著書か言で、日本で暴動が起きないのが不思議と言われているが、日本では別の形で暴動が発生している。それがひきこもりであり、家庭内暴力であり、リストカットであり、自殺であり,etc. で、最近ではマスコミとかでも偽装請負の問題とか取り上げるようになって若者の間でも意識が出てきたのか、フリーターや非正規雇用労働組合がぼちぼち出始めたらしい。で、それらがデモを規模は大きいわけではないけどポツポツやっているとか。若いフリーターとかに話を聞くと、革命しかない、暴動しかない、というような言葉も出てくることは少なくないらしく。ネット上でもそうだよね。搾取される者の怒りが蓄積されているのは間違いない。
やっぱりね、今の現状は絶対おかしいと思うんだ。この本にも書いてあるけど、たとえば第三世界の貧困よりマシなんていう議論はおかしい。今現在困っている、働いても働いても楽になれない、場合によっては食えるかどうか、生きるか死ぬかの瀬戸際。この現状がおかしいということは当たり前の感覚であると理解しなければならない。我慢することで誰が得するか。底辺同士で争って誰が得するか。それをよく考えなければならない。