ヤンデレ

一部で人気な属性みたいだけど、僕にはいまいち理解しきれていない所があるので考えてみた。『School Days』だっけ? 何もいないじゃないですか、とかそんなこと言ってたキャラって。nice boatの元凶になった。
どうにもヤンデレのファーストイメージが包丁なんだよね。そういや、『School Days』より前に出ていた『ガンパレード・マーチ』の原素子。複数の女子と付き合うと、彼女が主人公を包丁で刺してBAD ENDになるんだよね。あれは衝撃だった。僕的にはヤンデレの元祖は原素子になるわけで。
でも、ヤンデレが好きな人って、「大好きなあのキャラに包丁で刺されたい、ハァハァ」とか思っているわけじゃないと思うんだ。もし本気でそう思っているならきっと別の属性。ヤンデレwikiで、竜騎士07が述べた意見として「プライドの下がりきった男性が、自分無しでは生きていけない「恋愛依存症の女の子」を求めた結果がヤンデレである」ってのが載っているけど、まさにこの通りだと思う。竜騎士07の言い方にはちょっと棘があるけど。
ギャルゲーと言うか、ラブコメとか恋愛ものとなると、昔は一人のヒロインがいて、そのヒロインを主人公とライバルが取り合うってのがパターンだったと思う。で、ライバルの方がイケメンで社会的地位も高くてって感じで。幾度の苦難を乗り越え、ついにヒロインと結ばれて大団円となる。
それが、時代が進むにつれて主人公と絡む女子の人数が増えてきたように感じる。で、ときメモなどのギャルゲーが出てくる。これは、主人公に対してどの女性キャラクターも最初から一定の好感を抱いていることが多いかな。でも、こちらからかなり働きかけないと一定以上の関係になれないし、最終的に一人を選ばなければならない。
ここで一つエポック・メイキング的なギャルゲーとして『シスター・プリンセス』をあげたい。これは衝撃的だった。12人の妹! という無茶な設定もそうだが、それ以上に「最初から攻略対象の女子全員が主人公にベタ惚れ」だったわけで。このゲームの場合、主人公は女の子の好意を得ようと頑張る必要はまったくない。なぜなら、最初から好感度マックスだから。
これは極端な事例とはいえ、最近は複数の女子から簡単に好感を得る主人公というのが腐るほどあるわけで。ツンデレとかが流行ったのは、もはや女の子から好意があるのは当然という状況でスパイスが欲しかったからに過ぎない。でポイントは「デレ」があること。これがないとまったく意味がない。あくまで主人公のことが好きだという裏打ちがあるからこそ、ツンデレは人気を得た。
そして、主人公への好意の裏打ちの究極系の一つがヤンデレってわけだよね、やはり。女の子が精神に異常をきたすほど、主人公に完全に依存するわけだから。主人公なしでは生きていけない、主人公こそが生きる動機であり、すべて。そこまで歪んだ愛情だからこそ、決して裏切らない主人公への好意としての証になるというか。で、ヤンデレもファンタジーとはいえ、エロゲーほどではないファンタジーとして、全年齢対象として最大限のある意味都合のよい愛の形ということになるかな。
さらに究極的になれば、主人公にべた惚れ、主人公のすること全て肯定、他の女の子にちょっかいかけても問題なし、むしろ一緒に愛して、時々可愛らしく嫉妬はしますが結局受け入れます、となる。今のところエロゲー以外でこういう感じの女の子は、白痴系に分類される特殊なサブキャラぐらいだとは思うけど、そのうち「積極的に」ハーレムを認めるヒロインが出てくると思う。もしかしたらもういるかもしれないが。